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第30回日本保育保健学会

会頭挨拶

第30回日本保育保健学会

会頭 萩原温久
(萩原医院)

 2019年12月に中国湖北省武漢で新型コロナウイルス感染事例が報告されて以来、4年以上を迎える2024年5月25・26日、記念すべき第30回目の「日本保育保健学会」を東京で開催いたします。今学会はポストコロナを期待して、現地開催を基本に、各プログラムが時間的に重ならないよう、ご参加の皆様にすべてを聴講いただける構成にしました。
 テーマを「みなおそう!こころとからだの健康 ~ 保育期から就学までの橋わたし ~」とし、子どもたちのからだはもちろん、豊かなこころを育むことの重要性を改めて知る内容です。
 人口動態統計によれば、出生数は1975 (昭和50)年以降、若干の増減を繰り返しながらも減少傾向が継続し、新型コロナウイルスが流行中の2022年度は約77万と過去最少を更新しました。少子化の背景にはさまざまな要因がありますが、仕事をしやすい環境と同時に子育てしやすく、楽しみやすい環境作りが必要です。私たちには保育保健の立場から子育て支援が求められています。
 学会初日25日 (土)には会長講演 (藤田 位先生)、基調講演 (岡 明先生)に加えて、特別講演1では、子どもたちが「かいぎ」をする保育園を1年間に渡って撮影したドキュメンタリー映画「こどもかいぎ」の豪田トモ監督にお話しいただきます。シンポジウム1 「アタッチメントを知ろう」では、1) 子どもの心の安全基地を育む、2) 乳幼児の愛着形成と情緒発達、3) 親を褒めて子どもを育むという内容で、家庭はもちろんのこと、保育の場と家庭-保育所間の連携にも生かせる内容にしました。
 26日 (日)の教育講演は「小児歯科」、そして保育現場、医療関係双方からご要望が多い「幼児期からの性教育」についての解説です。
 特別講演2では、2023年4月に本格的に始動した、「こども基本法・こども家庭庁」について、自見はなこ先生 (参議院議員、小児科専門医)に、その背景と現状をお話しいただきます。
 ほかにも、「保育所で知っておくべき感染症」、「アレルギー」、「保育所でできるペアレントトレーニング」などの教育講演、シンポジウム2「ことばを育む」など、すべて明日から現場で活かせる内容にしています。
 聞き逃した講演はオンデマンド配信でも聴講できるようにはしましたが、久しぶりに多くの皆様に東京でお会いできることを楽しみにしています。